北大店ウェアコーナーの橋本です。
先日、5月18日(日)に開催しましたトークショーのご報告です。
秀岳荘が今年2025年で「創業70周年」になるにあたり、
写真家の伊藤健次さんに「日高山脈とチョッコウさん」というテーマで
日高山脈と画家の坂本直行さんについてお話して頂きました。
伊藤健次さんは2022年、2023年にもトークショーを行って頂いてます。
そして今回は3回目。大事な節目にはいつも伊藤さんです。
坂本直行さんの本は、読むたびに新しい発見があると伊藤さん。
代表作の一つである「開墾の記」は骨が軋むような開拓の生活の中でも
明るい絵を描き続ける、筆跡には迫力がり、
読んでいてとてもかなわい粘り強さを感じる。
楽古岳、カムイエクウチカウシ山、ペテガリ岳など
日高の山々を好んで描いて直行さんだが、
その絵はとても忠実に谷や沢も描いていて、
深く山を理解している登山者だからこそ描ける山の絵だと
伊藤さんは解説されていました。
「日高山脈はシャイな山」という伊藤健次さんの言葉が印象深いです。
知床半島がいくつも入ってしまうぐらい長い山脈だが、
全体を見ようとすると山が小さくなってしまい、
近づくと手前の山が邪魔をして山脈が見えない。
より良い景色を見たいなら、日高は登って見るしか方法が無い。
日高では毎回思いがけない出会いが必ずあり、
どこへ向かっているとも分からない雪の稜線に点々と残されたヒグマの足跡から、
ここはヒグマにとって必要な場所なんだなと思った、と伊藤さん。
日高の面白いところは道が無いところ、沢が道。
65年前に坂本直行さんと秀岳荘の創業者の金井五郎が
幌尻岳の七ツ沼カールで過ごしたエピソードは
山の楽しさの原点がありありと書かれている。
「秀岳荘」の屋号は坂本直行さんが名付け親だが、
直行さんが慕ったアイヌの又吉との親交に由来がある、など。
秀岳荘と坂本直行さんの関係にも触れて頂きました。
日高の深遠部に咲いている植物についても、
伊藤さんが撮られた写真を見せながら紹介して頂きましたが、
「誰のために咲いているわけでなく、自分のために咲いているのが良い」
「当たり前に見えているものが、いつまでもあるものではない」
という言葉が心に残りました。
今回のトークショーは北海道新聞さんに取材してもらいました!
ありがとうございます!
そして!このトークショーと同時に、
秀岳荘の1階フロアでは
坂本直行さんが表紙を書かれた1958年〜1974年の
秀岳荘カタログの現物を展示しています。
実際の表紙原画も展示しています。
またその他にも秀岳荘所蔵の直行さんの水彩画、油絵を数点展示。
秀岳荘の歴史の年表もあります。
6月上旬ごろまで展示してますので、
ご興味ある方はぜひご来店ください!
そして、坂本直行×秀岳荘×mont-bellがコラボした
70周年記念Tシャツも5月18日から販売開始しています!
70年という秀岳荘の歴史の中に、
自分が多少なりとも関われているという事に、
嬉しいというか、重たい責任というか、
複雑な感情を感じながら今回の伊藤さんのお話を聞いていました。
自分も次の世代へとバトンを繋げるように
頑張らなくてはと身が引き締まりました。
伊藤健次さん、今回も素晴らしいトークショー
大変ありがとうございました!
いままでも、そして、これからも
秀岳荘をよろしくお願いいたします。
秀岳荘北大店ウェアコーナー
橋本