ずっと一途に想い続けていれば
いつかそれは報われるのでしょうか・・・
昔、熊の平から郡別岳と巡り
その後、ある時反対の東側から撮った写真を見る機会があり、
以来その東斜面を滑ってみたいと思っていた山
増毛山地の奥座敷、奥徳富岳。

[知来岳北尾根933P付近から奥徳富岳を望む]
今季も天候と休みのタイミングが合わないなと思っている内に
急に強い暖気が入って(最近厳冬期が長続きしませんよね…)、
山も一気に雪が減って春の足音が聞こえて来た3月上旬。
「今季も行けないのかなぁ」と天気予報と睨めっこしていると、天候の安定しそうな日が。
「これ以上経つと山の雪も腐ってしまう・・・行くしかない」と
クライミングにしようか相談していたスイーツ王子のN氏に打診、
スプリットボーダーでもある彼も了解してくれたので、
所属する山岳会に届けを出し、とある晴れた休日に、念願の斜面へ赴くことになった。

まだ暗い4時に入山。
広い牧草地の様な御料地を抜けた後、沢沿いの林道を暫く歩く。
林道を離れると徐々に沢型は峻険になってきた。
融雪で急流が露出したり岩が露出した箇所は高巻きながら進む。
そんな事を繰返して硬い急斜面のトラバースが続けていると、
スキーの私はエッジを利かせて比較的楽に進めるが、
板とブーツが柔らかいスプリットボーダーの相方は、
エッジを上手く利かせ辛い様子で、クランポンを装着しても大変そう。
「これは早めに稜線に上がってしまった方がいいかもしれない」
と、思いの外複雑な沢型に予定より早めに右岸の支稜線から尾根へ上がる事に。
胸を突く様な痩せ尾根は雪がモナカ状に固まり、キックステップ(蹴り込み)も浅いので
シートラ(滑走具を背負う)してアイゼンで登った。
■ここで便利グッズ紹介①■
PETZL LEOPARD(レバーロック)

スキーツアー/雪上歩行用のアルミアイゼン。
330Gと超軽量で、前後の連結に丈夫なダイニーマを使い収納時も非常にコンパクトです。
岩稜帯が殆ど出てこないバックカントリーは、軽く携行し易いアルミアイゼンがとても便利ですよ。
(ブーツとの相性があるので、ご検討の際はよく確認しましょう!)

[LEOPARD付けてサクサク登れました。尾根までもう少し!]
(雪がそう固くなかったのでストックで登りましたが、アイゼンの際は基本ピッケルを使用しましょう)
登り切ると、雪庇の張り出す稜線は延々とアップダウンの繰り返し。
再びシールで歩ける様になったものの、中々高度が稼げない。
しかも上はガスってる💦これじゃ上に行っても滑れないじゃないか...こんな予報だっけ?
スッキリと晴れることをただただ祈って、黙々と歩みを進めた。

[低い雲に頭が隠れた黄金山をバックに、歩いてきた稜線を振り返る]
知来岳から伸びる北尾根上のJP(ジャンクションピーク)に出ると急に尾根は広くなった。
933Pからコルへシールで下るが雪が意外に固くてキンチョーする💦
[ソロ〜リ、ソロリと下るスプリットの相方N氏]

[825コルへ下る]
この頃になると漸くガスが抜け、目指す奥徳富岳が姿を見せてくれた。

[やっと見えたよ〜]
ここから再び登り返し、最後の長〜い稜線へ約500m上がる。ふぅ。

[最後の長い1.2kmの稜線へ]
ここまでの長い道のりが報われるような、増毛山地の絶景を眺めながらの気持ち良い尾根登り。

[稜線から望む郡別岳]

[あと一息だゼィゼイ]
4時半に入山して7時間、尾根を上がり切ってやっと山頂にたどり着いた。やっぱり長かった〜!
すっかり晴れ渡った山頂からは、360度の大パノラマが広がる。ん〜ナイスビュー!

[絶景にしばし目を奪われる]

[今回の相方N氏と。お疲れさま!]
景色を堪能したらいよいよ念願の斜面へドロップ!

これから滑る斜面を雪庇の間から覗き込む。
写真では分かりにくいけれど、思ったよりもかなり急斜面だなぁ...
しかも尾根上の斜面から先がノール状(丘状に盛り上がり先が落ち込んでいる)になっていて、
様子がどうなっているのかよくわからない。

実際に正面から見るとこんな感じ(以前に行った友人がドローンで撮った写真を拝借);赤線が大体の滑走ライン。
斜面は全体に巨大なボウル状の沢になっていて、出だしから少し降りた所がノール状に落ち込んでいる。
ファーストは今回言い出しっぺの私がを滑る事になった。
意を決して滑り出し、ノールの向こうに差し掛かると陽が当たってカチンコチンの斜面...
思わず一回チェックを入れたが、足元をすくわれそうになって一回止まってしまった。
急過ぎて方向転換もできないので、2、3m位下の硬くなさそうな斜面ににポン!と飛び降りると、
今度はポスッ!とハマる...モナカだ〜💦 足を取られない様に何とかバランスを取り右側へ。
右岸側に逃げると雪は少し時間の経ったクリーミーなパウダーに変わり、漸く気持ち良くなった。
それでも後傾になった体制を充分にリカバリー仕切れず、太腿がパンパンになりながら何とか転ばず滑り切る。
下に着いて斜面の状況を上で待つ相方に無線で伝える。相方は予め少し右岸にトラバースしてから滑り降りてきた。
[トラバース後に右岸側を滑ってくる相方(下の方しか撮れてませんが)右岸はモナカも無くパウダーだった様だ]
標高差500m。一気に滑り降りて耳がツーンとなった。 あまり上手くは滑れなかったけれど、念願の斜面の一つを無事に落とす事が出来て感無量。
■ここで便利グッズ紹介②■
MARKER CRUISE 12
23-24シーズンにマーカーからリリースされたツーリングビンディング。
ブレーキ・2段階のヒールリフターが装備されて475gと軽量ながら、
ステップインし易くKINGPINと共通デザインのトゥピース、カッチリと剛性の高いヒールピースで、
急斜面の高速ターンでも不安無くしっかり板をコントロールできます。
トゥピースにリーシュ取付用のスリットを備えているので、リーシュコード派にもオススメ。
ブレーキ幅は105mmまで対応しています。白石店K山も今回の山行でDPS PAGODA TOUR100に取り付けて使用しました。


[夢の跡]
825コルへ登り返し帰路に就く。
余韻に浸るように何度も後ろを振り向くと、既に快晴となった空に奥徳富岳が映えていた。

[滑ったラインを遠望する]

[933P付近より。良い山だったなー]
933P南のJPからは往路の尾根ではなく、南西向きの疎林の沢を落とし、
600付近から左岸側をなるべく高度を維持して滑って行く事にした。
スキーの私はトラパースで高度を維持しながら時折少し上がって高台状のラインを繋いで行く。
スプリットボードの相方は中々それが難しく、程なく沢底まで降りてしまったので、
シールにモードチェンジして、テクテクと歩きはじめた。沢底は地形が少し面倒そうだった。
自分はスイスイ滑って降りるので、何だか楽してるみたいで申し訳ない...でも楽だから沢底に降りない私。
だいぶ上から下の相方の様子を見ながら並走していく。ごめんね...

[赤:相方/青:私。スキーだとずっと左岸を滑って来れ他のだが、N氏は大変そうだった...]
結局、私は933Pから一度もシールを着けること無く下まで滑って来る事が出来た。

[やっと御料地まで戻ってきた〜黄金山をバックに]
山頂から約5時間かけて16時に無事下山。
全行程27km、行動時間12時間、標高差薬1700mと久々にボリューミーな山行となった。
あ、ブログも久々なのでボリューミーになってしまいました💦
ここ数年タイミングを図っていた山に行けて良かった。
スプリットボードには明らかに不利な山にも関わらず、付き合ってくれた相方にも感謝です。
[文責:白石店スキー売場 K山]
今回ご紹介した商品

ペツル レオパード
アルミニウム製クランポン『レオパード』は、「レバーロックフィル」の設定で 330 g と超軽量です。10 本爪により、硬い雪面でも高い安定性を発揮します。リアブロックをつなぐ連結システムは柔軟なため、コンパクトに折りたたんでバックパックに収納できます。コバの有無にかかわらず、様々なブーツに対応する2つのバインディングシステムから選択できるため、スキーツーリングや雪上歩行に最適です。