沢から登る『目国内岳』

北大店 あさきです!
8月15日 「目国内岳(メクンナイダケ)沢登りに行ってきました。
ニセコに位置するこの山は、夏道もあり頂上には、ゴツゴツした大きい岩があるのが特徴です。
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メンバーは、いつもお馴染み北大店スタッフ双樹さん、白石店スタッフ泉さんの3人


実は、この3人、今年の春にも雪のあるこの山に来ていました。
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あの時は、あんなにも雪のあった山ですが、あれから4か月で夏の姿にすっかり変わりました。
この日の天気予報は、あいにく下り坂
雨は増水の危険性があるので
出来るだけ早めの行動をしていきたい、、、
車1台で行きます
今回は、入渓ポイント(入渓=沢に入るところ)と
下山のポイントが違うので自転車を下山ポイントにデポ!(デポ=荷物等を置いていく手段)
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車で入渓ポイントまで向かいます。
こうすることで、帰りは、坂道をサイクリングしながら
車を回収できます
早速、行動開始
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完全にホラー
駐車スペースには、アブや蚊がたくさんいるため
着替え・ギアのセレクトは、あらかじめしておくことがポイントです。
林道を少しばかり歩きます。
道が途切れたところで
砂防ダムから入渓
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ロープの残地もあってありがたい
沢の色は綺麗です
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苔と沢のコントラストが美しい
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適当な小滝があったりしながら、しばらく歩きます
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突如現れる怒涛の7連続砂防ダム(昔、災害復旧のために作られたもの)

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どうやって超えようか悩みながら
近づくと越えられそうな場所が見つかります
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今何個目の砂防ダムだっけ??
3??いや5じゃない??なんて会話を繰り返す
標高550m 二股の分岐を右に曲がるとすぐに見える
核心の三段の滝
下から見ると迫力がありましたが、
近づくとこんな感じ
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休憩しながら、登れそうなところを探します
1段目は、左岸からトライ
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(左岸右岸=沢や川では、左岸右岸という言葉が使われる。
川の流れている方向が基準となり右左が決まる。
そのため上流に向かう我々にとっては、左岸が右手側となる。)
落ちると滝つぼに巻き込まれそうですが、
難しくはないです。
前情報によると
2段目と3段目が難しいとの事
2段目まで上がると
滝が起こす風圧を感じるため黙っていると
とにかく寒い
右岸からリード
(リード=2人以上のクライミングにおいて1番手に行く人。
自分で支点を作りながら、ロープで確保していくため、かなりの緊張感と技術力が求められる。)
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ヌメヌメしている所もあるが
思ったよりも難しくはない
水量が多いと怖いが、途中支点もあったおかげで恐怖心が和らいだ
僕が昇っている間、
待っていた2人はとても寒かったことでしょう
登ってきた2人の体の震えが物語る
核心は3段目だった。
左岸からのトライするがなかなか正解を見つけ出せない
滝から離れるとヌメヌメ感が増してホールド(ホールド=登るときにつかむところ)も脆い
滝に近づくと足場が少ない
しかし、クラック(クラック=岩の割れ目のこと)を発見!
ここにカム(カム=クラックに挟んで支点にするクライミング道具)を決めて手掛かりにするが、足元はヌルヌルだ
腕力とバランス力を使い、体を持ち上げる
このカムに一瞬、全荷重をかけるので外れたらどうしよう…など考える。
精神状態を切らさずに何とか登る
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2人以降も3人目が足がかりとなったり、
上からスリング(スリング=リング状の耐久性の高い紐のようなもの)を出したりなど
試行錯誤して突破
1人の力で登れないところは、
チーム力が試されます。
これも沢登りの面白さの一つ
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核心を超えるのにかなりの時間を費やした
雨も降りそうなので
歩きの速度を上げる
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何か所か滝をこえて
最後の滝にたどり着く
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かなりの高さからしぶきを上げている
ここは、高巻く
高巻きルートを見つける
(高巻き=滝の直登が不可と判断した場合に、泥壁を越えたり藪漕ぎをしながら迂回する事)
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高度感のある高巻き
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支点もホールドもあるが、
落ちたらひとたまりもない
僕は、三番手を登ります
待っていると
滝からかなりの風圧を受けて
雨具を着ていても身体が震えだす
登り終えると次は、藪漕ぎ
高巻きをするとルートが外れる事がある。
場合によっては、復帰するためにかなりの藪漕ぎが必要とされる。
さすが双樹先生
完璧な藪漕ぎのルートどりで
無駄のない復帰
固く尖った根曲がりだけ(笹)が
身体に絡まりつく
ここでイラついてしまうと笹薮の思うつぼだ。
心を広く冷静に藪の流れに身を任せる
これがポイント
復帰後は、雨が降り出してきた。
湿原まで急ぐ
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ザリガニちゃん
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だんだんと雰囲気が変わってゆく
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パンケメクンナイ湿原に出る
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なんとも幻想的だ
ここからは、夏道を使ってピーク(ピーク=他より高いところ。ここでは頂上を指す)を目指す
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急に足場が変わると
身体が重たい
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目国内岳ピーク
止まるとすぐに体が冷えるので
少しばかりの休息をして下山開始
沢靴がラバーソールなので
夏道も快適です
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この日は、
クライミング要素の多い沢のため、全員ラバーソール
あさき:mont-bell『サワークライマー』
泉さん:キャラバン『渓流KR_3XR』
双樹さん:LA SPORTIVA『TX CANYON』

どろどろの下りをフェルトソールで歩くと
とんでもなく滑ります
(沢靴にはラバーソールとフェルトソールがあります。
それぞれメリットデメリットがあるため、行く沢などに応じてセレクト)
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やっと帰還
ここからは、サイクリングです。
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ひたすら新見峠を降ります
雨も降っていてなかなかの体感温度
着れるものを着こみます
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途中で絶好のサイクリングスポットもあり
悪天候ながらも楽しみを見つけました。
何とか日が落ちる前に
下山完了
3人とも疲労困憊でした~~
今回の沢登りは、僕たちの実力から比べると
レベル的にも高い方だったために
色々なことを考えさせられました。
ルートファインディング、高巻き、地図読み、体力、ロープワーク…
沢は「登山の総合格闘技」とはよく言ったものです
まだまだ経験不足ですが
これから、たくさんの経験を通して
沢ヤになれるように精進します。
北大店 あさき