⛰令和6年度 崕山自然保護モニター登山へ行って来ました⛰
崕山は、北海道のほぼ中央にそびえる夕張山地の東北部に位置し、夕張山地の最高峰である芦別岳山頂から北北西に6.6㎞の距離にある山です。崕山の特徴は、石灰岩が侵食されてできた急峻な岩峰群が露出して『きりぎし』の語意の通り『切り立ったがけ』が連なっていることです。一般的に石灰岩は、アルカリ性に富み、栄養分が少なく常に乾燥しているため植物の育成にとっては厳しい環境ですが、崕山では固有植物(固有亜種)であるキリギシソウをはじめとする350種もの植物が確認されています。その中の『ホテイアツモリソウ』が環境省がレッドデータブックに示した絶滅のおそれのある植物リストに該当し、オオヒラウスユキソウ、キバナノアツモリソウの2種も条例で指定された希少野生動植物として厳格な保護の対象となっています。希有な高山植生が見られる崕山は、自然保護の目的として入山制限されることになり、今では毎年6月に開催される自然保護モニター登山でしか登れない山となりました。
自然保護モニター登山とは、ただ登山をするだけでなく、盗掘や山の規模に対して多過ぎる登山者によって荒廃した山の様子や入山制限により植物が回復してく様子を参加者自身に確認してもらい、人為的破壊の惨状と自然保護の大切さを確認してもらうことを目的とした、崕山自然保護ボランティアが引率する団体登山です。
自然保護モニター登山の応募方法は、芦別市が4月上旬から参加募集を開始しますので、往復はがきに必要事項を記入し応募します。1枚のハガキで4名まで応募することが可能です。今回の当選者は30名がモニター登山の権利をゲットすることができました。
当選の発表は、返信ハガキが家に届きます。
今回のメンバーは、工場 星野、駐車場管理 入澤、カヌー売場 藤田と藤田夫で行って来ました。
朝7時~8時まで惣芦別川林道第一ゲートで車の受付を行います。
(遅れると登山できません。)
その後、登山口まで移動し、登山の受付を行います。
7時40分から登山スタート。先頭のボランティアの方を抜いてはいけません。
第1渡渉。さっそく結構な水量です。ひざ下まで水がきましたが、長靴なので問題なし。
第2渡渉。今回の登山ルートは、沢ルートなので長靴で歩きました。
濡れてもいい方は登山靴でもOKです。
ただし、スパイクシューズとポールは植生にダメージを残すので使用できません。
三股。このように標識を作っていただいたので道に迷うことはありません。
沢ルートをグイグイ登って行きます。
よく目を凝らしてみるとウドや行者にんにくが生えてます・・・。
今日はモニター登山ですから・・・。
ここからロープを利用して急斜面を登ります。
先頭集団とは、こちらで交差しました。
崕山1066.2m登頂しました。
先頭グループ集団は人数が多かったようで、山頂が人でいっぱいになり即下山されたようです。
ラッキーなことに私たち遅いグループは、ゆっくりと休憩をさせていただきました。

私ごとですが、崕山を登頂しましたので北海道百名山123座完登いたしました。
私の他にもう一人、女性の方が北海道百名山を完登された方がいらっしゃいました。
『おめでとうございます!』
環境省指定国内希少野生動植物種の『ホテイアツモリソウ』です。
昨年、同じ時期に開催されて咲いていたようですが、今年は蕾・・・。
残念過ぎる・・・。
鹿に食べられてなかなか株が増えないそうです。涙
昨年に開催された自然保護モニター登山のブログはこちらで確認ください。
↓
ミドリニリンソウ
シロバナノビネチドリ
チャボカラマツ
ヒメナツトウダイ
グンナイフウロ
シロバナシラネアオイ
行者にんにく
カマヤリソウ
アポイアズマキク
熊ちゃんの足跡まだ新しい感じがしましたが・・・。
熊に会わなかったね。なんて話をしていたら、林道を車で走っていると前方に黒い四つ足の個体が走っていました。黒い個体?まじですか?よく見るともう一頭の熊ちゃんが、右側の草むらに隠れています。車に乗っていたので落ち着いて判断できましたが、大きな熊を目の間にするとやっぱり迫力がありました。
下山後は、星のふる里百年記念館へ寄り、崕山の上部のジオラマや自然と動植物の展示をみて復習してきました。入館料大人200円 高校生100円
ルートはこんな感じです。
崕山自然保護協議会の皆様のご尽力があって、このような自然保護モニター登山に参加することができ希少な高山植物を見ることがでました。感謝しかありません。いつも当たりまえに整備された登山道を歩いていますが、それは当たり前ではなく、管理してくれている方がいらっしゃるので気持ちよく登山ができるのだと改めて気づきました。盗掘、植生へのダメージ、外来種の侵入、糞尿問題と人が与える自然破壊はとても深刻だと学びました。そんなつもりはないけれど、知らないうちに自然破壊をしてる行動をしているかもしれません。これを機に登山行動を見なおしていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
秀岳荘白石店カヌー売場 藤田