1人沢旅~札内川7の沢本流~8の沢 スタッフフィールドレポート 白石店 2024.09.29 こんにちは、 白石店登山売場の小山田です。 久しぶりに一人で日高の沢を巡ってきました。 ルートは札内川7の沢本流を遡行し、1823峰から1807峰、ピラミッド峰と稜線を歩き、札内川8の沢から下降するという計画です。地図で見ると結構長いです。昔はこのくらい長い山行やちょっと難しい沢も1人で行ったりしていたのですが、今もまだ歩けるのか・・・。ちょっと不安な気持ちで山行前は少し緊張しておりました。~2024年9月25日(水)~前日は仕事終わりに中札内まで移動し車中泊。まずは林道は時間短縮のために自転車。これで時間を短縮。特に帰りはほぼ下り道なので早い!林道をサクッと終わらせて七の沢へと入ります。しばらくは平坦な何もない河原を進みます。途中で、1807峰と1823峰に直接突き上げる支流を通り過ぎます。750m二股を過ぎたあたりに出てくるこの小さなゴルジュから一気に渓相が変わりこの沢の核心部がはじまっていきます。河原の少ない岩盤状の渓相その間にV字の函と滝が断続的にと続くようになります。日高らしい険しい沢になってきました。少しずつ緊張感が高まります。水量がかなり少なかったのと、この日は何よりも天気が良かったので気持ち良く登れました。この沢は遅くまで雪渓が残る沢なので沢底近くにはほとんど植生がなく、滝を巻くにもつるっとした岩盤や泥壁の場合が多く、出来るだけ直登するしかありません。これも日高らしい!一つの滝を越えるとまた滝が出てきます。ずっと気が抜けません。焦らず、気を抜かず、右岸がいけるのかそれとも左岸か流心にホールドがあるのか、弱点を見極めながら一つずつ越えていくことを心掛けます。まだまだ滝が続きます。大きな滝はそんなにないのですが、一つ一つが手強く、時にはシャワークライミングとなります。900mを過ぎると側壁は一層高くなり沢底は日も当たらなくるので震えながらの遡行となっていきます。これも日高の沢の醍醐味!絶壁に囲まれたゴルジュの中を寒さに耐えながら滝を攀じ登る!!一歩間違えれば変態の世界ですね。950m~1100m付近がこの沢の最大の核心部でしょうか。実は過去2回、9月にこの沢を遡行したことがあるのですが、いずれもその時はこの部分は雪渓に埋められていました。今回はなんと、全く雪渓がありませんでした。温暖化と降雪量の減少が要因なのだと思いますが、驚きました。お陰でこの沢の全容を見ることが出来ました。感激です。(この感激はあまり人にはわからないかな~)雪渓がなかったのでシャワークライミングの連続でかなり体力が消耗してきました。この桶状の滝も水流の中を行くしかなさそうでしたが、弱気になって左岸から巻きましたが、これがかなり悪く、余計に疲れました。割りばしのようにぽきぽき折れる笹を必死につかみながら傾斜の強い側壁を必死にトラバースしました・・・。水流の少なくなってきた小滝を幾つか越えるとようやく七の沢カールにつきました。このカールは藪も濃く、テン場には適さないので稜線を目指してさらに進みます。稜線に出ました!1823峰が目の前に!でもここからが藪との闘いです。日高のもう一つの醍醐味、藪漕ぎです!1時間ほどの藪漕ぎで1823峰の頂上へ!絶景!です。カムエクがやはりカッコいい。カムエクの下にはあるのはコイボクカールですね!時間は早かったですがここでゆっくり一晩過ごそうと決めました。早速前日衝動買い?したヘリテイジの『クロスオーバードーム2G<2>』を頂上に張りました。軽さと建て易さはとても気に入りましたが、やはり結露は避けられませんでした。ただ、シュラフをナンガの防水生地を使った『オーロラライト350DX』にしたり、テントの中に入れたザックは防水バックに入れるなど工夫をしたので結露も気にすることなく快適に過ごせました。ちなみに反対側にはコイカクシュサツナイ岳、そして1839峰がひときわ大きい存在感でドーンと聳えています。夕方は素晴らしい雲海と夕陽を見ることが出来ました。幸せな時間です。1823峰は沢で行くにも稜線を辿っていくのも大変な頂上ですが一度は登ってほしいお勧めの山です。~2024年9月26日(木)~夜は少し風があり、朝起きると周りはガスガスでした。さあ、今日は本格的な藪漕ぎです!気合を入れて出発!相当な藪を覚悟していたのですが、意外と優しく迎えてくれた気がします。1602のコルはロックガーデンになっておりテントも張れそうです。ここから一気に200m登って1807峰の頂上を目指します。この時はまだガスガスでしたが・・・。何と次第にガスが晴れてきました!そして着きました1807峰!!ガスがまだかかり眺望は少し悪かったですが、日高らしい看板も何もない頂上。今回の目標の一つはこの頂上に立つことでした。昨年この1807峰に上がる七の沢支流で命を落としてしまった北大店の若いスタッフに手を合わせました。「また、日高に来るよ!」1807からピラミッド峰を目指しますが、ここからの藪が予想以上に消耗しました・・。目の前にあるのに1時間もかかりました。いかにこの区間を歩く登山者が少ないかが分かります。もう、歩きたくないかな・・なぜか小さなスプーンが刺さったピラミッド峰。ゆっくりと休憩してあとは歩き慣れた8の沢を下るのみ。8の沢カールを少し過ぎた地点。日高も紅葉が進んでいます。短い沢のシーズンもそろそろ終わりになってきました。< img alt="1人沢旅~札内川7の沢本流~8の沢_d0198793_08461549.jpg" class="IMAGE_MID" height="281" src="https://pds.exblog.jp/pds/1/202409/29/93/d0198793_08461549.jpg" width="500"/>8ノ沢出合い。ここからは河原と言うより両岸につけられた踏み跡をうまく辿って七の沢出合いまで。そして自転車であっという間の下山となりました。日高の沢と藪漕ぎ稜線、そして亡き仲間を偲ぶこともできた二日間でした。日高から戻ると、また日高に行きたくなる。次の日高はいつかな~と思いながら帰路につきまた。コースタイム〇9月25日5:50 車止め 6:30 七の沢出合い 8:00 750m二股 11:50 稜線 13:25 1823峰〇9月26日6:10 1823峰 9:45 1807峰 10:50 ピラミッド峰 11:40 八の沢カール 13:40 八の沢出合い 14:30 七の沢出合い 15:00 車止め 白石店登山売場 小山田 タグ: 白石店 登山 みんなの白石店をまとめ読み Tweet « 前のブログへ ブログ一覧 次のブログへ »