マニアックな縦走路~クチャンベツ沼ノ原コース↔二ぺの耳↔石狩岳(二泊三日)


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こんにちは!

秀岳荘白石店ウェア売場の宮崎です。
8月5日~7日、二泊三日で石狩岳に登ってきました。
今回は石狩岳に登るときに一般的に使われる
あえて真逆側のコースから行きました。
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石狩岳へは上記のメジャーなコースを使う方が断然近いし時間もかかりません。
しかし今回はなかなか行くのが難しい沼ノ原と石狩岳の間のコース(↓赤いライン)。
ここを歩いてみたかったのです。
さらにコース途中にある”根曲り廊下”の様子も見てみたかったし、
特徴的なネーミングの”二ぺの耳”も見てみたかったし通ってみたかったのです。
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“根曲り廊下”というのは、笹薮が濃くて歩くのが困難とされている部分です。
「数年前に笹刈りがされていて今は比較的歩き易い」と事前に聞いてはいましたが、
どんなものだか行ってみないと分かりません。

今回のパートナーは私と同じ山岳会に所属するHRYさん(私の母と同じ年齢)。
山の経験がかなり豊富な彼女。
山の話しをたくさん聞かせてもらって、色々学ばせてもらいたい!と私からお願いして今回一緒に登ってもらえることになりました。
「笹薮が強すぎたら女二人の力ではどうにもならず進めないかも…でもまぁ行ってみましょ!」ということでこのルートに挑戦することになりました。

今回まず悩んだのはテントを張る場所でした。
HRYさんの調べで標高1289mに水場がありテントも張れそうだと分かり、
この地点にテントを張る計画にしました。

同じコースで石狩岳を目指す場合、
沼ノ原から15分ほど西へ歩いたところにある”大沼野営指定地”に泊まることもできます。
しかし今回は二日目の行程が長いのと
根曲り廊下で時間を使ってしまう可能性があったので、
初日に根曲り廊下を越えた場所まで進むことにしました。


8月5日(一日目 7㎞ 5時間半)
9:40クチャンベツ沼ノ原登山口駐車場に到着
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雨が降っていたため止むまで一時間ほど車内待機。

11:11 ぞろ目の時刻に登山開始☆
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55Lザック、17㎏
水場は有ると調べてありましたが念のため二人で共同水(各々が飲む行動水以外の筋用の水)3Lを担ぎ上げます。
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登り始めて20分後くらいに渡渉箇所が有ります。
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難なく渡り、
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途中で雨が降り出したのでカッパに着替えて、
約2時間後に沼ノ原入口到着。
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霞がかかっていて幻想的な沼ノ原
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木の形がこの場所の風の強さを物語っています
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ほどなくして”沼ノ原分岐”、
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そして”石狩岳分岐”
ここには錆びて字が全く読めなくなったボロボロの看板があります
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ここから先は、なかなかな笹薮の中を掻き分けて進みます。
足元が見えません。
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ひたすら笹薮の中を進みます。
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気になっていた根曲り廊下はこんな状態↓
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足元のルートははっきりしていて足先はスイスイ運べるけど、
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笹はうるさいです。
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笹が被っている部分もところどころあって
私が「あれ?こっち??」と道を見失って足を止めるたびに、
後ろから来てくれてるお母さんHRYさんが「どれどれ」と言いながら助けてくれました。

5時間半後に1289m到着
使えそうな水を取れる水場は周辺に見当たらず、
一番近い水源に行くにも薮の中を100mほど下る必要があったため、
水を取るのは諦めました。
共同水を念のために持ってきておいて良かったです。

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8月6日(二日目 10㎞ 9時間50分)
5:20出発 曇り
まずはきつい急騰
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一息ついて立ち止まって振り返ると、
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木々の間から大雪山・十勝岳連峰が見えます☆
だんだんと笹が無くなり、ハイマツの藪に代わってきます。

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稜線に出てからは藪が少なくなり、多少歩き易くなります。

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この↓三角形の山を越えると、
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やった! やっと”二ぺの耳”が現れました!
初ご対面♪ もちろんテンションが上がります!!
確かに猫の”耳”みたいな形♡
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そして振り返るとこの景色♡
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何度も後ろを振り返りながら先に進みます
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綺麗な景色を見ながらの幸せな稜線歩き♪
この稜線、素晴らし過ぎます♡

二ぺの耳山頂↓ 看板は無く、ケルン(積み石)のみです。
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二ぺの耳を過ぎて心地よい稜線歩きを味わいながら楽しんでいたら、
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いつの間にかに川上岳を通り過ぎてて、

わぁ♡
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やっと石狩岳が見えてきました。
↑写真の右側の頂上が石狩岳、手前左側の頂上が小石狩岳
写真では伝わり難いですが、生で見るともっと大きくて迫力があるお山です。

↓石狩岳の奥の音更岳方面
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振り返って見ると、
歩いてきた稜線の向こうには忠別岳、高根ヶ原、旭岳↓
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すぐお隣にたたずむ二ペソツ山もカッコいい♪
この角度からは初めて眺めました。
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そして石狩岳頂上☆
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完璧な景色&おやつ&飲み物を味わいながらまったり(●´ω`●)
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さて、上がってきた道を戻ります。
↓写真手前の方からぐるっと時計回りで、稜線をグッと下った所にあるテントまで。
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ルートの途中で、HRYさん「こんなところにも咲いているんだね~」
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(↑HRYさんが地面に這いつくばって撮ったコマクサ×お山の写真♡)

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やっぱりこの稜線、素敵すぎる♡
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↑写真の真ん中よりやや上に見える平らな大地の中の水たまりが“大沼”

↓見納めの猫耳ニペ耳
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往復で所要時間9時間50分
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テントは熊に荒らされておらずに無事でした。良かった~

8月7日(三日目(最終日)7㎞ 4時間半)
7:10頃出発 雨
初日と同じくカッパを着て笹薮の中を進みます
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初日と同じようにたびたび繰り返される、
私「あれ?こっち??」→HRY母さん「どれどれ…」

水浸しの沼ノ原↓
この地点に着いた時には既に登山靴の中がプール状態だったので、
登山道が水浸しでももう気にしない♪
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んん?
これって…
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熊じゃん!!
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初日に上って来たときは不思議なくらい熊の落とし物も見当たらなかったのに、下山でとうとう痕跡を発見してしまいました。

今回はわざわざ遠回りで歩きにくいコースから石狩岳へ向かいましたが、その稜線はうっとりするほど素敵な稜線でした。
ただ、沼ノ原分岐から根曲り廊下を経て石狩岳へ延びる稜線に出るまでの間は、薮がすごくて歩きにくく傾斜のきつい部分もあります。
なので皆さんにお勧めできるコースではありませんが、興味のある方は一度歩いてみてください。
大雪山十勝岳連峰だけではなく、ウペペサンケ山、ニセイカウシュッペ山方向もグルっと360度見渡せます。
本当に綺麗ですよ。

白石店ウェア売場 宮崎