ジョン・ミューア・トレイル(JMT)スルーハイキングレポート #1

白石店ウェア売り場の小林です。
2025年9月にアメリカのロングトレイル、ジョン・ミューア・トレイル(JMT)をスルーハイクしたレポートを何回かに分けて書きたいと思います。以前に準備編として、トレイルの詳細や持ち物などについてもブログに書いているので、そちらも読んでいただければと思います。

持ち物

まずは最終決定した持ち物をリストにしました。ファニーパック(ウエストバッグ)に入れているものを除くと、ベースウェイトは4.7kg になります。ベアキャニスターを除くと3.7kgになるので、かなり頑張って軽量化をしました。これに水を2リットルで約2kg、食料・ガスなどの消耗品が4~5kgで考えるとパックウェイト12kg前後の計算になり、フレームレスバックパックで快適に運べる重さの限界ぐらいになります。


⚫︎運搬用具

道具名製品名重量個数合計
BackPackPalantedesert pack 43L5471547
パックライナー【不明】Nylofume Pack Liner29129

合計重量

576 グラム

⚫︎就寝用具

道具名製品名重量個数合計
テントZpacksAltaplex Lite Tent3871387
スリーピングバッグWestern MountaineeringAstralight 12D5001500
マットRabUltrasphere 4.53491349
シットマット【山と道】Minimalist Pad (1/2)26126
NemoFilo Elite811370
ペグEastonNano Blue 6”8540
ペグVargoUltralight Tent Stake6212
ペグMSRMini -Groundhog Stakes919
ペグケースMYOGDCF111
ポンプサックRab】ポンプサック71171

合計重量

1,765 グラム

⚫︎衣類

道具名製品名重量 [g]数量合計
インサレーションPatagoniaMicro Puff Houdi2641264
スタッフバッグMYOGDCF16116
レインジャケットEnlightened EquipmentVisp Rain JKT1551155
ウインドパンツmonte-bellU.L.ストレッチ ウインドパンツ78178
タイツ【山と道】Light Alpha Tights97197
靴下drymax】トレイルランニング(着替え用)46146
手袋Teton BrosAxio Glove50150
インサレーションSenchi DesignsALPHA 60 HOODIE1021102

合計重量

808 グラム

⚫︎飲食用品

道具名製品名重量個数合計
ベアキャニスターBearVaaultBV4751,00011,000
ストーブSoto】アミカス81181
ライター【不明】bic mini11111
クッカーSOTO】チタンポット 750 (蓋無し)56156
クッカーEVERNEWApex cup t0.229129
スタッフサックEVERNEW】タイベック (クッカー)818
フードコジーHyperlite Mountain GearREPACK40140
浄水器PlatypusQuickDraw Microfilter66166
ウォーターキャリーEVERNEWWater Bag 2L42142
カトラリーEVERNEWSputura Ti20120
クッカーZIPLOC】スクリューロック56156
クッカーEVERNEWmulTiDish14114
鍋つかみGSI】シリコンポットグリッパー12112

合計重量

1,435 グラム

⚫︎その他

道具名製品名重量個数合計
シャベルBoglerCoUL Backpacking Trowel14114
携帯ビデCulo CleanPortable bidet12112
歯ブラシMISOKA】トラベル18118
エマージェンシー絆創膏、薬、リペアシート、テーピング、はさみ73173
スタッフバッグHyperlite Mountain Gear11111

合計重量

128 グラム

⚫︎ファニーパック

道具名製品名重量個数合計
モバイルバッテリーAnkerMagGo Power Bank 10000mAh2071207
モバイルバッテリーAnkerPower Bank 10000mAh2551255
記録メディアSandiskSDD 1tb50150
充電用ケーブル【不明】USB-C ケーブル13113
ヘッドライトMilestoneMS-G349149
ホイッスルMIYAGEN3D WHISTLE212
三脚【Ulanzi】 JJ021161116

合計重量

692 グラム

行動着

行動着は以下のようになりました。これをベースに少し肌寒い時はAlpha Directのフーディーを着たり、風が強い時はレインジャケットとウィンドパンツを着用して調整していました。この時期のカルフォルニアはとにかく雨が降らず、17日間のトレイル生活の中で雨が降ったのは2・3日程度でした。寒暖差はとても激しく、標高にもよりますが日中は30度以上で朝晩は氷点下まで下がります。

道具名商品名
帽子【ciel】GOCap日差しが強く、暑くなるので速乾性と通気性のあるもの
眼鏡、サングラス【owl classic】Frey度付き眼鏡にクリップオンでサングラスがつけられる
サンフーディー【Teton Bros.】Axio Light Hoodie臭いにくく強度があるメリノと化繊のハイブリット
ベースレイヤー【ACLIMA】LightWool 140 sports singlet臭いにくく速乾性の高いメリノのメッシュタイプ
ショーツ【Patagonia】Baggies Shorts乾きやすく動きやすいショート丈のもの
アンダーウェア【icebreaker】Anatomica Boxers臭いにくい履き心地の良いメリノのもの
ソックス【DARN TOUGH】Hiker Micro Crew MW臭いにくく強度が高いメリノ。足首まわりをミッドクルーで保護
シューズ【ALTRA】OLYMPUS 275足の負担を考えてソールが厚く、蒸れと速乾性を考えて非防水のもの

使ってみてとても良かったものは、Teton Bros.のAxio Light Hoodie 。毎日着続けて擦れや穴あきも無く、街に降りてコインランドリーと乾燥機で洗っても縮んだりすることなく、汗もすぐ乾き、臭いも全くしませんでした。強いて言えば、ウエストのポケットを使うことが無かったので不要なのと、ずっとサムホールを使って着用していたので、ウォッチウィンドウがあればベストだと思いました。ACLIMAのLightWool 140 sports singlet も乾きが早く、フーディーの下に着用しても暑くなり過ぎず快適でした。あとはALTRA OLYMPUS275、2025年の新作で従来のOLYMPUSの好みが分かれる踵のパッドが無くなり、履き口が足首にフィットするゲイター不要の仕様になり、アッパーがケブラーでより丈夫になりました。実際に350km以上履き続けたみた感想ですが、厚いミッドソールのお陰で特に足を痛めることも無く、ゲイター仕様は歩いていてたまに小さな石が入ることはありますが、違和感があるようなサイズの石は入ってこなかったのでとても快適に歩けました。アッパーのダメージも全く無く強度は確かだと思います。欠点というかどのシューズにも言えることだとは思いますが、アッパーの通気するメッシュ部分は砂埃で完全に詰まってしまい、あまり機能している感じはありませんでした。

歩き終わった後にこうすればより快適だったのではと思ったのは、ソックスを足首丈にして、ショートゲイターを使用した方が良かったかもしれないということ。JMTはとにかく乾燥していて、歩くと砂埃が酷く足と靴下がすぐに汚れます。足は川で洗えばすぐに綺麗になるので、その点においてショートパンツの選択は正解だったと思います。ソックスに関してはミッドクルーの部分が激しく汚れ、洗ってもすぐには乾かないので我慢して履き続けていました。なのでソックスを足首丈にして、ゲイターで靴下部分を隠すように使えばソックスの汚れは防げて、ショート丈のソックスとゲイターは乾きやすいので、頻繁に洗いながら快適に歩けたかもしれないなと思いました。実際にショートゲイターを使用している人は一定数いて、現地のアウトドアショップでもさまざまな種類のものを販売していました。

開始1週間前 パーミット変更

準備編でも書きましたが、パーミットの抽選に外れた為、南から北へ歩くNOBO (North Bound)を計画していました。物は試しにとトレイル・スタートの1週間前に先着(枠は一桁)で販売されるウォーク・アップ・パーミットのクリック合戦に参加の結果、見事に取得。急遽、ヨセミテ国立公園から南のMt.ホイットニーに向かって歩く、念願のSOBO (South Bound)に計画を変更となりました。
ウォークアップ・パーミットを取得してみての感想は、時期にもよるとは思いますが、頑張れば全然取れるレベルの競争率だということ。SOBOを希望する場合は、抽選は全然当たらないので最初から諦めて、NOBOを滑り止めにウォークイン・パーミットに賭けるのも良いかもしれません。
ヨセミテがスタートの場合、最寄りの空港はサンフランシスコとなります。ですがコロナ以降サンフランシスコは治安の悪化が進んでいる為、飛行機は当初の予定どおりロサンゼルス経由でヨセミテに向かいます。

Day 1 出発

ロサンゼルスへは成田空港からZIP AIRの直行便で向かいました。出発当日は関東地方に台風が上陸中、欠航の恐れもありましたが無事に出発。欠航の場合はパーミットの開始日に到着が間に合わなくなり、最悪の場合、計画が中止の可能性もあったので飛行機が飛ぶまで気が気じゃなかったです。

飛行機に乗る時間は約12時間。時差があるため14時に出発して、当日の朝の9時に到着という時間が戻ったような感覚に戸惑いながらLAXロサンゼルス国際空港に到着。日本時間で夜中の2時、本来であればホテルに着いて就寝したいところですが、カルフォルニアの晴れ渡る青空で眠気は吹き飛び、しばらく散策をすることに。

まずは行ってみたかったアメリカで最も大きなアウトドアショップ REIへ。ガスカートリッジ、トレイルフード、日本から持って来るのを忘れた物などを購入。時期の問題もあるとは思いますが、ベアキャニスターは売り切れていました。現地調達を考えている人は注意です。

因みに当店でもベアキャニスターは販売しています。パッキングの練習もしておいた方が良いので、事前購入をおすすめします。

初日の宿、ハリウッド近郊の住宅街にあるドミトリーに到着。一泊30ドル朝食付というとても良心的な値段。さすがに起きていられる時間に限界がきたので、シャワーを浴びて爆睡。

Day 2 ハリウッドからフレズノへ

ヨセミテ行きのバスに乗るためにフレズノという町に向かいます。フレズノにはヨセミテに最も近い空港、フレズノ・ヨセミテ国際空港がある玄関口です。日本からの直行便はありません。フレズノへはロサンゼルスにあるアールデコ調の歴史的に有名な駅、ユニオンステーションからアムトラック(バスと電車)に乗ります。駅構内、駅までに乗った地下鉄の車内にも銃を持ったガードマンがいて、アメリカにいることを再確認する場面も。

アムトラックのバス、日本のものに比べて長いです。

アムトラックの電車、ひたすら大きい。
バスは定刻でしたが、電車は結構アバウトな運行時間で来るまでとても不安でした。

電車の1車両に大量のスナック菓子と炭酸飲料がテイクフリーで積まれており、みんな両手に沢山のお菓子を抱えて自分の席に。日本では考えられないシステム。トレイルの行動食用に多めに貰っておきました。

約5時間でフレズノに到着。ヨセミテ行きのバスは午前中のみの為、この日は空港近くのホテルに泊まります。ホテルに着く前にスーパーで5日分のトレイルフードを購入。

購入した食料をベアキャニスターに。写真を撮るのを忘れてしまいましたが、インスタントラーメンを粉々に砕いたり、個包装を全て捨ててコンパクトにまとめたりとさまざまな工夫をして、テトリス状態にぎっしりと詰め込みます。一番上はトルティーヤ、ジャストサイズです。電車で欲張って貰ってきたフリースナックは入りませんでした。今後しばらくはシャワーに入れないので念入りに身体を洗って就寝。

Day 3 フレズノからヨセミテへ

早朝、ヨセミテ行きのYARTS(バス)に乗るために、フレズノ・ヨセミテ国際空港に徒歩で向かいます。

空港もさすがヨセミテという内装、期待がどんどん高まります。朝食を食べながらバスを待ちますが、到着時間を過ぎても全く来る気配がありません。一緒に居合わせたベトナム人と本当に来るか不安だね、なんて話しながら待つこと1時間、ようやくバスが到着。遅れたことについてドライバーからは当然のように一言もなく、淡々と搭乗手続きを済ませます。

途中で休憩を挟みつつ、バスに揺られること4時間強

アメリカに到着して3日目、やっとスタート地点のヨセミテ国立公園に到着。


まずはウィルダネスセンターへ行き、申請していたパーミットを発行してもらいます。発行の際、SOBOの場合は追加料金を払うことで、ノースフェイスのロゴマークでも有名な岩山、ハーフドームに登れるパーミットも取得することが出来ます(もちろん取得しました)。


英語が得意な方なら問題ないのですが、発行にあたって1回目の補給可能地点であるトゥオルミメドウズまでの行程を、公園を管理するレンジャーに英語で説明しなければなりません。急遽SOBOに計画を変更した為、行程のことがしっかりと頭に入っておらず、しどろもどろの説明になってしまって上手く伝わりませんでした。最後にはレンジャーも諦めて、もういいよみたいな雰囲気でなんとか発行することが出来ました。

ヨセミテ国立公園ではたくさんの人々がキャンプ、川遊び、クライミング、ランニング、自転車、ショッピング、飲食などを楽しんでいました。1日では全て見て回れない広大なフィールドで、まさにアウトドアの天国のような場所でした。

ショップも充実していて、トレイルで必要なギアやウェア、フード関連はそこらのスーパーよりも品揃えが豊富でした。当日に食べるものを購入して、キャンプサイトに向かいます。

バックパッカーズ・キャンピンググラウンドは、ハイキングのパーミットを取得している人のみが利用できるキャンプサイトです。その他のテントサイトは事前に予約が必要になります。支払いは備え付けのポストに7ドルのキャッシュを封筒に入れて投函するか、アプリでQRを読み込んでのどちらかになります。

アメリカで初のテント設営完了。地面がとても固く、ペグが全く効かなかったので石を使って固定。1区画ごとにクマ対策のフードコンテナと焚火用のファイヤーピットが設置されています。ここではあまりクマの心配は無いと思いますが、至る所にリスが歩き回っているので、食べ物の管理は注意が必要です。

ショップで購入した晩御飯と、これからしばらく飲めなくなるビールを飲んで就寝。
いよいよ明日からロングトレイルのスタートです。

続く