初冬の歴舟川をパックラフトで1泊2日かけて海まで!

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こんにちは。

もうすぐ入社1ヶ月。

白石店カヌー売場の加藤です。

初めての連休をいただいたので、夏に行きそびれていた憧れの歴舟川をパックラフトで下ってきました。

核心部は3つ

・往復の運転

・自転車の移動

・泊地での着替え、でした。

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歴舟川と言えば、帯広南部の大樹町に位置し、水質検査で何度も日本一を取ってきた北海道を代表する清流です。

釧路川や天塩川の知名度には劣りますが、パドラーならより強い憧れや思い入れのある川かもしれませんね。

清流ながら暴れ川としても知られ、雨の後は増水しやすく広い河原や大きく削られた土壁はその激しさを物語っています。

年々変わる地形の変化も大きく、過去の情報があてにならない川でもあります。

一方で、削り広げられた河原にはたくさんの流木が溜まるため焚き火天国なぜひとも1泊で下って欲しい川なのです。

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退社後、道の駅なかさつないまで下道で4時間ほど移動し車中泊。アクセスが核心部でした、ねむい。

日勝峠にはうっすら雪が積もっていました。

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今回のコース。

定番な坂下仙境手前の砂防ダムからスタートし、途中の河原で1泊、海まで下ってゴールです。

約30kmちょいで急げば日帰りもできますが、やはり1泊で下りたい川なのです。

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まずは道の駅からスタート地点に移動し、パックラフトと装備一式をデポ。

ゴールの河口まで移動し車をデポ、自転車で約30km走りスタート地点へ戻りました。

自転車をスタート地点にデポし、ゴール後に車で回収に来る予定です。

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スタートは定番の砂防ダム下から。

「鍋をしよう!」と野菜や鍋の素を突っ込んだ上に、荷造りが適当過ぎて95Lダッフルいっぱいで約20kg(笑)

スターン(船尾)に載せたら左右にあおられまくりで、瀬の度にドキドキさせられました。

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序盤は崖に囲まれた美しい渓谷の中。

夏なら泳ぎ、飛び込むトロ場もたくさんありました。

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激しめの瀬が連発。

とはいえ水量が少ないおかげで楽しめる瀬で、スカウティングもポーテージの必要もなく快適。

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しかし荷物が重く、浅瀬や隠れ岩に何度も引っかかりライニングダウンは何度もしました。

他スタッフには「ずっと歩いてた」とも聞く歴舟川ですが、そこまで渇水ではなかったように思います。

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噂以上な透明度の高い水に心が洗われます。

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SWEET LEAFFの防水スマホケースはポンプで中の空気を抜け、画面の操作性、カメラの画質への影響が少なくてパドラー必見です。

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日没の早いこの時期。

2時には日が落ちてきて気温がどんどん下がってきました。

風も出てきて寒いのでヌビナイ川合流よりも手前で泊まることに。

アウターはセミドライトップ(palm/バーディゴ)と、加水分解して穴が開いてる浸水しまくりなドライパンツ(Bluestorm/レイブンパンツ)を。

中にはウェット装備でモンベル/パドリングジョンとネオプレンジャケットを着てました。

最悪、沈しても死なないだろう装備を選びました。


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思ってたよりも激しく、顔まで水を浴びる瀬と度重なるライニングダウンで下半身はビチャビチャ。

濡れたままでは危険なのは言わずもがな。

急いで焚き火を起こして着替えないと凍えてしまいます。

11月中旬の河原、全裸で焚き火をしても通報されないのが歴舟川。

ボタン一つで暖かくなるこの時代に、薪を集め、火をおこし、濡れた服を急いで脱いで干し、焚き火で暖を取る。

そんな数千年前には当たり前であった太古の経験を出来るのは川下りの魅力でしょう。

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この時期はもちろん鍋。

河原で食べれば工夫せずとも格別に美味しいです。

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寝転がりながら焚き火をしてたら空には満天の星。

いくつもの流れ星に願う

「ドライスーツが欲しい!」

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沈後に逃げ込める余裕を持って快適-2度/限界-8度の寝袋を持ってきましたが、朝方-6度まで冷え込みちょうどいい寝袋でした。

真っ黒なぼくのパックラフトも凍り付いて真っ白になっていました(笑)

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シートのバルブも凍り付いて空気を入れられないので咥えて溶かしてで朝から大変。

夏の川下りでは味わえない洗礼ですね。

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一番心配だった足装備はrootwatsocksのウェットウェーディングソックに、ドライパンツの防水透湿ソックス。

アウターにフィット感の高いネオプレン長靴でした。

たまに足先が冷えましたが、この時期なら無理のない装備だったと思います。

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航空写真で見てもわかりますが、歴舟川はカーブの外側がえぐれた斜面でその下に瀬を繰り返し。

だんだんと河原が広くなって、空が開けてきます。

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背後には日高山脈がそびえ、後ろ向きで下りたくなるような絶景。

流れも早く、しっかり漕げば時速8km前後でした。

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白い石が多く、底がはっきり見えるのも水がキレイに見える一因なのでしょうね。

瀬の中でも底が透けてキレイです。

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だんだんと人の気配がして橋が見えれば大樹町です。大樹町と言えばカントリーサインにもなっているロケットですね。

橋の左岸にはローソンが、右岸にはセブンイレブンとスーパーや道の駅があります。

アウトドア中に町に立ち寄って地域に触れるのは旅っぽくて好きです。

大樹町まで来れば残りは1/3程度。

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歴舟川の楽しい所は河口付近まで瀬があるとこです。

河口付近はフラットでストレートになりがちですが、歴舟川さんは最後まで飽きさせません。

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動物も多く、この時期だからかハクチョウが多く飛来し、空を見ればオジロワシ。

熊におびえてスプレーを抱いて寝ましたが、出番が無くて良かったです(笑)

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行き先が同じ川の分岐が増えて、カモメが出て来たらもうすぐ海です。

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海は荒れ気味で出るのが怖かったので、河口ギリギリにゴールしました。

夏よりも装備、体力が必要で天気も選ぶ時期ですが、備えれば静かに気持ちよく下れます。

寒い時期のパドリングウェア、遊び方に悩まれたら白石店2階にご相談ください。

[水位]

歴舟川尾田:102.78m

歴舟川本町:61.52m