
白石店ウェア売り場の小林です。
いつか海外をと思いながら、
国内のロングトレイルを歩いてきましたが、
ついに念願のアメリカの
ジョン・ミューア・トレイルをスルーハイクできることになりました。
『そもそもジョン・ミューア・トレイル(JMT)とは?』
アメリカ3大トレイルの1つでもある
パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)の一部、
北のヨセミテ国立公園から南のアメリカ本土最高峰ホイットニー山頂まで
約340kmを縦走する長距離自然歩道で、
名前は「自然保護の父」ジョン・ミューアの名前に因んで命名。
世界一美しい道のひとつとも呼ばれ、
ハイカーであれば一度は歩いてみたい聖地として憧れるロングトレイルです。
因みにアメリカ3大トレイルとは、
東部のアパラチア山脈沿いに3500kmに渡るアパラチアン・トレイル(AT)、
大陸のやや中心に位置するロッキー山脈沿いにカナダからメキシコを繋ぐ
5000kmのコンチネンタル・ディバイド・トレイル(CDT)、
そして西部シエラネバダ山脈などを通過する、こちらもカナダ〜メキシコを縦断する
4000kmのパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)。
3つ全てを制覇した者はトリプルクラウンと呼ばれています。

場所はアメリカ合衆国の西海岸。
最寄りの都市はサンフランシスコ、ロサンゼルスになります。

スルーハイキング(起点から終点まで一気に歩き通すこと)
するのに要する期間は平均的な速度で約3週間。
この期間の食料を全て運ぶことは不可能なため、
途中で街に下りてリサプライ(補給)が必要となり、
このような方法で長期間歩くことを
ロングディスタンスハイキングと呼ばれています。
JMTは国立公園に位置するためスルーハイクするには
パーミット(許可証)の取得が必要になります。
これは自然保護を考え、1日に入れる人数を制限するためです。
パーミットは下記のサイトで申し込みできます。
このパーミットの取得がとにかく大変!
北から南に歩くSouth Bound(SOBO) は
アクセスの良いヨセミテ公園から、
徐々に標高を上げて最終のホイットニー山頂の4421mに到達するため、
高度順応しやすく登頂のゴール感も相まって一番人気。
なのでこのルートは抽選で取得が基本になります。
(直前の当日販売枠のようなものもありますが海外からでは現実的では無い)
抽選は登り始める日の6ヶ月前から、
週に1回ずつ申し込めます。
世界中から希望者が集まるため、
厳しいという話は聞いていましたが、
まあ当たりません。
8月後半から9月前半の枠を狙って
2月に4回チャレンジをしましたが全て落選。
抽選に申し込むだけで1回当たり10ドルが必要になるので、
とても心が折れる1ヶ月間でした。
そんな訳でSOBOは諦めて、
南から北に歩く North Bound(NOBO)に切り替え。
こちらも抽選なんですが、
ホイットニー山からスタートするパーミットはJMTを歩く人だけでなく、
ホイットニー山を登るだけの人も含まれるためさらに競争率はあがります。
日本でいうところの富士登山みたいなもの?なので世界は勿論、
アメリカ国内からの希望者も多く、
まず当たらないと思っていいのでこの抽選には参加しませんでした。

なのでJMTをNOBOで歩く人はホイットニー山から南に約60km、
JMT区間から外れたPCT区間のコットンウッドパスをスタートにします。
ここからだとパーミット取得に抽選は不要でオンラインによる早い者順になります
(これも6ヶ月前から申し込みスタート)。
ピークの7月、8月だと予約開始直後に枠が埋まってしまう
クリック合戦になるようですが、
9月は夏休みが終わり、雪が降り始めるシーズン終盤に近いため取得はしやすいです。
(といっても現時点で9月分は全て埋まっています)
そんな訳でNOBOのパーミットを無事に取得することができました。
NOBOの場合は総距離が400kmとなり、
すぐにホイットニー山を登ることとなるため、
体力的に難易度が少し上がります。
またスタートのコットンウッドパスへは公共交通機関が無いため
ヒッチハイクをする必要があるなど課題が色々と。
一方、体力のある前半に難所をクリアしてゆっくり歩ける、
9月後半の寒さを高所で過ごすことを回避出来る、
ゴールのヨセミテ公園でのんびり過ごせるなど利点もあります。
今回は主にパーミットについてでしたが、
今後は飛行機などの交通機関やアクセスの計画、
歩くための装備についてなど
実際に歩くまでの準備について書いていければと。
特に今回は2週間ぐらいで歩きたいと考えているので、
それなりの軽量化も必要になってきます。
毎日、装備のことを考えてるのがめちゃ楽しいです笑
いつか海外ロングトレイルに挑戦してみたいと思っている方の参考になれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございました。