『日高で唯一咲くコマクサを見にペンケヌーシ岳とワイルドなペンケヌーシ岳南峰へ』
ペンケヌーシ岳は、北海道沙流郡日高町にある標高1750mの山です。日高山脈の北日高に位置し、日高山脈で唯一コマクサが自生しています。山名は東を流れる川であるパンケヌーシ川に由来し、アイヌ語で「パンケ・ヌー・ウシ(川上川の・豊魚・ある・もの)」を意味します。
札幌から高速で占冠ICで降りて、国道274号線からパンケヌーシ林道へ。最終民家を過ぎると道はダートになりますので運転には十分ご注意ください。今年のパンケヌーシー林道の開通は6月28日(土)でした。私たちの登山日は6月25日(水)で、パンケヌーシー林道のゲートが開錠されておらず北日高森林管理署にて1週間前までに入林届を提出し、ゲートの鍵番号を確認しました。
今回、計画して歩いたルートです。六の沢→ぺンケヌーシ岳→ぺンケヌーシ岳南峰→四の沢へおりる周遊ルートです。総距離約16キロ、登り累積標高1249m、下り累積標高1252mです。
平成15年の台風の影響で林道が崩壊し、ペンケヌーシ岳登山口までは車で行くことができません。
車は北電の取水施設で終了。ここをスタート地点とします。
ここから登山口までなんと6キロ‼
長い山旅が始まります。
林道が崩壊してるので、渡渉を何回もしながら歩きます。この時期は、水量が多く太ももまで水に浸かってしまいました。
歩きながら気づきましたが、今日は登山じゃなくて・・・ほぼ沢登りです。渡渉を繰り返すことは承知の上で足を濡らす程度かと思っていましたが、まさかこんなに水量が多いのは想定外でした。汗
今回のメンバーは5名。みんなの足回り装備は、沢足袋2名、ラバーソールの沢靴2名、トレランシューズ1名です。ザックの防水対策と沢スパッツは必須です。
橋が崩壊しているので車は通行不可、歩くのも大変です。
パンケヌーシ林道の看板ですが、笹藪で林道の面影はまったくありません。しかし、ここをまっすぐ突き進みます‼
やっと6キロ歩いて2時間30分で登山口に到着しました。
すでに一つの山に登った疲労感…。
ここから登山したかったなあ~。

さあさあここから本当のぺンケヌーシ岳の登山スタートです。
六の沢を登って行きます。
本日の天気は晴天。沢登りで涼をとりながら歩けるのでちょうどよかった。
沢登りなら、浄水器があると飲み水が確保できるので荷物の軽量化をはかれます。白石店カヌー売場の加藤は、カタダイン「ビーフリー AC 0.5L」を持参していました。※商品名をクリックすると商品情報が出ます。
いつでも冷たい水が飲めるのはうらやましい。
頑固な私は2.5Lを担いで登りました。
※稜線には水場がありませんのでしっかりと飲む分を確保してくださいね。
すでに疲労感がでているのでここらへんで
疲労回復系の魔法の粉
運動すると体内のグルタミンが急激に減少していまします。
グルタミンは体の中に一番多く存在し、体の中のエネルギー源として重要な役割を担っています。
そして、クエン酸も配合されているので疲労回復も期待できます。
味は、よく焼いたトーストの香ばしい味に後から酸っぱい味がします。
口に水を含んでからウィグライプロを摂取します。
水なしでも飲めます。
私は、今回の山行で3袋接種しました。
秀岳荘白石店グッズ売場で絶賛販売中です。

またまた宣伝になっちゃいますが、
日焼け対策も忘れてはいけません。
スティック状の日焼け止めで手を汚しません。
ティアドロップ形状(しずく状)で小鼻など塗りにくい場所もムラなく塗ることができます。
ナチュラル成分配合で、このままリップとしても利用できます。
ポッケやポーチにすっぽり入るので気軽に持ち歩けます。
忘れがちな首の後ろや耳などもしっかりと日焼け止めを塗ってくださいね。

源頭が近づき、沢が細くなってきました。
まだまだグイグイ進んで行きます。

道民のみんなが大好きな行者にんにくです。
夏の時期はこのように大きくなった姿になっていました。
このくらい大きくなってしまえば大味で美味しくないでしょう。
食べるならまた来年の春のお楽しみです。
ここまでは来るのはつらいからこないけど…。

沢が終わり、雪渓にでました。
さあ~ここから稜線歩きの始まりです。
今回は、雪が緩んでいたのでチェーンスパイクや軽アイゼンは着用しませんでした。

岩稜帯にでたら、お目当ての『コマクサ(駒草)』
花形が駒(馬)の顔に似た形をしている。
花言葉は「高嶺の花」、「誇り」、「気高い心」、「貴重品」
高山植物の女王様と呼ばれる美しい花。
砂礫地など過酷な環境でも生育することから女王と呼ばれているそうです。
大雪山系ではよくお見掛けしますが、日高山脈ではこのぺンケヌーシ岳にしか咲かないなんて不思議。
ちょうど見頃の時に来れて嬉しいです。
頑張って登ってきた甲斐がありました。
しかし、ここで満足してはいけません。
山頂をめざして歩きます。

目のまえに山頂が見えますが、腰の高さまであるハイマツが邪魔をしてなかなか前に進みません。
登山道であっただろう踏み後をたどりながら歩きます。

ついにペンケヌーシ岳1750mに登頂できました
ペンケヌーシ岳からは、チロロ岳をはじめとする日高山脈。夕張岳、芦別岳、十勝連峰など素晴らしい景色が堪能できました。
まだやっと行程の半分の距離。のんびりしていられません。次のペンケヌーシ岳南峰を目指して来た道を帰ります。
ここからがワイルドゾーンです。道が無い!もうハイマツを漕ぐしかありません。うまく雪渓を利用して標高を上げましたが、後はハイマツを漕いで、漕いで、漕いで…。ちょうどこの時に白石店登山売場の小山田が、笛や声を出し始めてザワザワしはじめました。どうやら熊のニオイが…。強烈な獣臭…。まだ近くにいるかもしれない…。え?マジ?私たち大丈夫?私も持っていた熊スプレーに手を当て、すぐに噴射できる準備をしました。
体感時間で5分程度ですが、反応がないので少し標高を下げて熊を避けて歩くことにしました。ハイマツがなくなり、視界が開けたところで辺りを見渡すと正面の尾根沿いに黒い個体が‼やっぱり熊ちゃんがいました。
今回は、何もなくてホッしました。私たちに気づいて、さっと遠くに逃げてくれたんだね。いい子だね。(岩合さん風)
さっきの場所は、熊のお気に入りの休憩場所だったのでしょう。こちらが、休憩中にお邪魔してごめんなさい。
ぺンケヌーシ岳南峰です。山頂はすごく狭いです。メンバーが5名だったのでなんとか休憩できました。
ぺンケヌーシ岳南峰1733mこの時の時間は12:40です。暗くなる前に帰れるでしょうか。あとは、四の沢から下るだけです。
四の沢は滝もなく特徴のない沢だったので下りやすかったのですが、茶色の水質でツルツル滑りました。登山のケガは下山時に起きます。滑ってケガをしないように慎重に下りました。
林道に出ればあとは車まで約1キロ。明るいうちに帰ることができました。
ゴールに着いたらキンキンに冷えたノンアルコールビールで乾杯!
ワイルドで達成感のある山行でした。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
秀岳荘白石店 藤田