痛い目ってどんな目?

[富良野岳北稜〜クマゲラシュート〜べべルイ沢滑走(滑落?) 記]

べべルイ沢源頭まで登り、ホコ岩へ歩いていくと、目指す富良野岳と斜面が見えてきた。
写真左の北稜の右に切れ込んだ斜面が通称”クマゲラシュート(確か)”
一番下の出口の門の様な地形は、滝になっているので雪が少ないと飛ぶ事になるそうだが、
どうやら今は雪で埋まって斜面になっているように見える。
斜面も何となく雪が付いているような...上手く安定したパウダーがあれば良いのだが。

G尾根を登りながら横目に見たべべルイ沢が気持ち良さそうだったので、
「今日はべべルイにしちゃおうか?」なんて話していたけれど、
この景色を目の当たりにすると、やっぱり行ってみたくなる。
”怖いもの見たさ”みたいなものだろうか?
折角重いロープやらプロテクションも持ってきたしね。
十勝岳の噴煙は相変わらずたなびく事無く真上に昇り
無風の山頂は昼寝ができそうな位ポカポカとのどかだった。
山頂からの景色を眺めて滑走準備をしながら、滑る斜面を見下ろす。
近くで見るとパウダーはうっすら乗っているだけで、下地は硬いアイスバーンの様だ。
「うーん、またカリカリ急斜面かぁ」利尻からこんなのが続いてるような気がする・・・
ホントはこんな硬い斜面なんて全然好きじゃないのだけれど。

斜度も40度は有に超えている?!モチロン羊蹄の沢とかよりずっと急で、狭い・・・
今更しょうがないけれど、言い出しっぺの私がファーストドロップ。

予想通り斜面はガリッガリ。ただ、幸い利尻の時より斜度が無い分、まだ滑れる。
切り立った周囲の岸壁に滑る音が増幅されて「ガガガガ!ガキガキガキ!」と凄い音で反響する。
それでも何とかジャンプターンなどしつつ、最後の滝状の抜け口に近づくと一層斜度が増した。
「やばい、この硬さじゃこれ以上急になったらジャンプターンした途端エッジが抜ける」
多分抜け口まであと50m位なんだけど、ジェットコースターみたいに滑落していきそうだ・・・

そのまま滑る決心が付かず、上で待つ相方にコール「だめだ、滑れないわ〜」

ここで一旦セルフ確保してスキーを外し、ひとまず相方にここまで降りてきて貰う事にする。
姿の見えない相方が滑る音が、またも凄い音で谷間に反響するのが聞こえた。

合流するとスノーバーで支点を作り、アイゼン&ダブルアックスにモードチェンジしてロープを結ぶ。
ビレイして貰いながらダガーポジションでステップを切って少しずつクライムダウン。
今回持ってきてきたのはダブルの30m。なので、一杯まで伸ばした所で今度は私が側壁に凍土を探し、
ワードホッグで支点を作ってセルフを取り、コール。相方がクライムダウンしてくる。
門の様な滝の抜け口を越えると柔らかいスラフが溜まって斜度も落ちたので、ここでロープを解いた。
抜け口の側壁はスクリューの打てる青氷だった。
結局、重いクライミングギアはここで役に立ったという顛末・・・人生何があるか分かりませんなー

ここから北稜の側壁をトラバース、ロープは必要ないが固いのでホコ岩までアイゼン&アックスで歩いた。
べべルイ沢源頭まで戻ってスキーに替え、べべルイ沢を滑る。ここも結構硬かったがさっきのに比べたら・・・
「いやー今回は(も?)痛い目見たね〜 笑」

駐車場で相方とヘラヘラと笑う。こんな山行に付き合ってくれてアリガトね。

ガリガリはもう結構だなぁ〜そろそろ春の快適なザラメでも滑ってネギジンギでもしたいよ〜
そんな事を思いながら相方と別れた後、帰路についたのでした。

季節外れ感いっぱいのこのブログを書いてる今の私は既にザラメやジンギを堪能しているので、
その事をこの時の自分に言ってあげたいです。

文責:白石店スキー売場 K山