
白石店ウェア売り場の小林です。
2025年9月にアメリカのロングトレイル、ジョン・ミューア・トレイル(JMT)をスルーハイクしたレポートの第2弾。前回は日本からスタート地点のヨセミテまででしたが、今回はいよいよトレイルのスタートです。
Day 1

1日目はJMTのスタート地点であるHappy Islesから歩き、途中でHalf Domeに寄り道をしてからJMTに戻り、最寄りのテントサイトで1泊という行程です。

ヨセミテの名所、ネバダ滝とバーナル滝を目指して標高を一気に上げていきます。

ネバダ滝。9月なので水量は少なくなっています。

ネバダ滝とハーフドームの間にあるリバティーキャップという岩山。ハーフドームにも劣らぬユニークな形。ここも登れるらしい。


ハーフドームの分岐に到着。ここより先はパーミットが必要になります。「雨の時に登ると死ぬよ」みたいな感じでドクロマーク入りの案内がありました。幸い雨が降る気配は無いのでベアキャニスターをデポしてハーフドームへ向かいます。




岩のトレイルをひたすら登ります。標高の高さにまだ馴染めず、足取りがとても重い。

ハーフドームを登り終えたすれ違う人、次から次へと「グローブを持っているか?」と話しかけられます。頂上部はワイヤーを辿って登るのでグローブは必須。のちに出会った人の話ではグローブ無しで登って血だらけになったとのこと。完全に失念していたのでありがたく頂きます。
アメリカの人はみんな親切だなあと登る前は思っていましたが、いざ自分が登り終えて、要らなくなったグローブを手にした時の気持ちは、とにかく邪魔で早く誰かに貰って欲しいでした。おそらく皆同じ気持ちで僕に声をかけてたんだと思います。当然、山にはゴミ箱は無いので一所懸命に声をかけてグローブを貰ってもらいました。

だいぶ標高も上がってきました。北海道では見慣れた雪山の景色に見えますが、白く見えるのは雪では無く岩。日本ではなかなか見れない景色。

ハーフドーム頂上手前、圧巻の景色です。左右反転するとTHE NORTH FACEのブランドロゴになります。

頂上へ繋がるワイヤー。写っている人のサイズと比較するとハーフドームの壮大なスケールとワイヤーの急勾配が分かると思います。高山病だったのか、ここまでに来るのにかなり体力を消耗したため、この先の長い行程を考えて頂上には登らずに下山してテント場へ向かうことにしました。

下山した先には山火事で焼き焦げた木々が一面に広がっています。JMT / PCTはとても乾燥しているので山火事が頻繁に発生します。運悪く発生したシーズンはヒッチハイクなどで迂回を強いられます。

今晩はここをテント場にします。JMTは指定されたテント場は無いので、このように開けた植物の無いところを探して使用します。水場が近くにあるか、風よけとなるものがあるか、標高、地面の傾斜、蚊など虫が多くないかなど、あらゆる条件を考えながら毎晩の寝床を探すのもロングトレイルの楽しみにの一つでもあります。

トレイル上で初めてのテント泊、しかも標高3000m超え。疲労で爆睡といきたかったんですが、やはり寒さで目が覚めてしまいました。気温は確認していませんが、ベアキャニスターは霜で凍るほど冷え込んでいたようです。因みにベアキャニスターは凍る程冷えると、フタのストッパーが硬くなって開けるのが困難になり、朝ご飯を食べるのに苦労します。
Day 2

翌日、山火事の地帯を抜けて湿地帯を歩きます。

正面に見えるのはカテドラルレイク Cathedral Lakes の象徴的な岩山。カテドラル=まさに大聖堂のような趣き。

次のテント場に到着する直前に今回初めての日本人に出会いました。彼は僕と逆ルートのNOBOのスルーハイカー。まさかの同じ道民ということで、久々に日本語を発することができる嬉しさと相まって、やや興奮気味に会話をしました。この先のトレイルの情報や、食料が足りなくて釣りをしながら凌いだ苦労話などを聞き、この先お互いの旅の無事を祈ってお別れ。




今晩のテント場、トゥオルミーメドウズ Tuolumne Meadows に到着。ここにはハイカー向けのバックパッカーズキャンプサイトと一般客用のキャンプサイト、売店やハンバーガーショップなどがあります。売店では行動食を購入。そしてディナーのハンバーガー。比較するものがないので分かりにくいですが凄いボリューム。20km以上歩いてお腹は空いていたはずなのに食べきれないほどでした。



バックパッカーズキャンプサイトに到着。車でのアクセスも良く、トイレなど設備も充実しているので利用者は多く、焚き火をして過ごす人もいたり賑やかな雰囲気。お腹もいっぱいで、昨晩は寒さで寝不足もあったので早々に就寝。
Day 3

標高が低かったので寒さで目覚めることなく朝までぐっすり眠れました。今日はヨセミテの出口、ドナヒューパス DONOHUE PASS(標高約3400m)を目指して歩きます。因みにPASSというのは峠のことで、JMTはこのPASSをいくつも越えてゴールに向かいます。最も高いPASSは標高4000mにもなり、後半につれて高いPASSが増えてきます。
所々に案内の看板があります。ここからはPCT(パシフィック・クレスト・トレイル)の区間です。ドナヒューパスまでは11マイル。どこも距離はマイル、標高はフィートで表記されます。最初は慣れませんでしたが、一日に無理なく歩けるのが15マイル(約25km)、寝る時に寒くなる標高3000mの10000フィートを目安に歩いていると自然と頭と身体に馴染んでいきます。

綺麗な小川が流れるのどかなトレイルが続きます。とても気持ちが良く休憩時間が増えます。


昼休憩。濡れたグラウンドシートやテント、手ぬぐいなどを乾かしながら行動食を食べます。これが毎日のルーティン。

ドナヒューパスに向かってどんどん標高を上げます。この辺りで雲行きが怪しくなり、風も強まって一気に気温が下がってきました。しまいには雹も降ってきて、たまらずレインを着て寒さを凌ぎます。

頂上手前で晴れ間が見えてきました。山の景色がどんどん変化します。

パスの頂上に到着。ヨセミテ国立公園はここまで。これより先はインヨー国立公園になります。

頂上付近で水を補給して晩御飯を食べます。この時点で17時ごろ。日の入りが18時30分ぐらいなので、この時間にはテントを張ってゆっくりしたいところですが、標高3400mで寝るのは厳しいので大急ぎで下ります。
なんとか日が沈む前に標高3000m付近まで下り、薄暗い中でテントを張って就寝。前半はロングトレイルの時間配分に慣れず、慌ただしくテントを張って寝る時が多かった気がします。
Day 4

昨日の頑張りの甲斐あって、寒さを感じずに朝を迎えました。今日はいよいよJMTを象徴するスポット、サウザンドアイランドレイク Thousand Island Lake に向かいます。

湖に向かって下りが続きます。

夢にまで見た、1000もの島々が浮かぶ湖。息を呑むほど美しい景色に、改めて「JMTに来たんだ」と実感。

湖の辺りに到着。少し早いですが昼食をとりながら景色を楽しみました。

とても名残惜しいですが1回目の補給ポイント、レッズメドウ Reds Medow に向かいます。




湖の周るようにトレイルが続きます。

レッズメドウ手前でとても雰囲気の良いテント場を発見。レッズメドウからはマンモスレイクス Mammoth Lakesという町へ向かうバスが出ています。食料の補給や、シャワーを浴びたりしたいので一度街へ降ります。この時間からはバスは出ていないので、今日は早めに寝て、明日朝の始発に乗ります。ここではスマートフォンが圏内だったので、宿の予約やバスの情報を収集。
次回は初のリサプライ(補給)です。
続く